(4)10億件のデータが教える算数・数学の学習法|文章題の攻略法

「算数・数学」の効果的な学習法について、人気の学習指導者・今木智隆氏が紹介する全12回の連載コラム。4回目は、算数、数学の文章題の攻略法についてお伝えします。

今木智隆(いまきともたか)
RISU Japan株式会社代表取締役。1979年京都府生まれ。東大寺学園中学校・高等学校、京都大学大学院エネルギー科学研究科修了。デジタルマーケティングのコンサルティングを経て、2014年RISU Japan株式会社を設立。タブレットを利用した幼児から小学生向け算数教材で、のべ10億件のデータを収集し、より学習効果の高いカリキュラムや指導法を考案。国内はもちろん、シリコンバレーでもハイレベル層から、算数やAIの基礎知識を学びたいとオファーが殺到している。著書に『10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方』(2019年 文響社)。

算数や数学の問題で、文章題は苦手な人が多いジャンルの一つです。統計調査によると、文章題は子どもが苦手とする分野の4位ですし、算数が得意な子どもでも、「文章題だけは苦手……」という声はよく聞きます。

文章題は、算数における一つの難関ということができるのではないでしょうか。

文章題を解くときには、文章をよく読んで理解し、自分自身で式を立てる「考える力」が必要になってきます。これは計算問題とは異なる特徴です。

文章題で使う「考える力」は、この先の中学・高校・大学と続く入試を考えたときに、きわめて重要な能力です。

一般に、文章題は単純な計算問題と比べて配点が大きく無視できない得点源となります。また、大学入試においては「知識・技能」を問う問題を主とする現在のセンター試験が廃止され、その後継として、「思考力・判断力・表現力」を問う「大学入試共通テスト」が導入されます。

単純にいえば、「計算だけで合格できるテスト」から「考える力がなければ合格できないテスト」への移行だともいえる変化です。

これからの教育は、文章題で求められている「考える力」が重視される時代に突入します。そんな時代にあって、文章題を解く力を早くから身につけておくことは、子どもにとって大きな助けとなることでしょう。

また、入試に限らず子どもの将来を考えても、文章題への取り組みは非常に意味があります。なぜなら、文章題を通して身につく「考える力」こそ、社会生活を送る上で不可欠な能力だからです。それはつまり、状況を正しく把握し、論理的に考え、計画的に物事を解決する力です。

具体的な話をしましょう。文章題が苦手だと社会生活にどのような影響が出るのでしょうか。

大人の中でも、文章題に苦手意識を持つ人がいます。それは例えば、会議の議事録が上手く取れない人。

議事録とは会議のメモのようなもので、会議の重要点がまとめてあります。ただ会議の内容を書き連ねたのでは、優れた議事録とはいえません。

議事録を上手くまとめるためには、交わされた議論の内容を自分の中で一度消化し、その中から必要な「キーワード」を自分で考え、整理する力が求められます。

つまり、議事録を取るのが苦手な人は「キーワードを抜き出す能力」があまり身についていないのです。そしてこれはもちろん、「考える力」があまり育っていない、ということでもあります。

文章題を解くときに必要な「考える力」は具体的にいうと、この「キーワードを抜き出す能力」だともいえるでしょう。例えば、問題文の中のどの情報を使って式を立てるのか分からなければ、文章題は上手く解けませんよね。だからこそ、議事録を取るのが苦手な人は、文章題にも苦手意識を持つわけです。

では、どうしたら「キーワードを抜き出す力」を身につけ、文章題の苦手を克服することができるのでしょうか。

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